竹富島の種子取祭(タナドゥイ)は約600年の伝統があると言われており、国の「重要無形民族文化財」の指定を受けています。毎年、旧暦9月の庚寅、辛卯の2日間を中心に80余りの伝統芸能が神々に奉納されます。竹富島には「かしくやさ うつぐみどまさる」(一致協力することが何よりも大切である。)という言葉があり、島人の考え方の基本となっています。種子取祭には島を離れた人々も里帰りして祭りに参加し、大勢の人で島は祭り一色になります。
西表島の節祭は今から約500年前から伝承されたと言われており、豊作の感謝と五穀豊穣、健康と繁栄を祈願する祭りです。毎年旧暦の10月前後の己亥に行われ、祭り2日目には芸能や船漕などの様々な催しものが披露され、神々へ豊年祈願をします。祭りの日は地元出身者が多数、里帰りをして祭りを盛り上げます。また、西表の節祭として国の「重要無形文化財」の指定を受けています。
小浜島の結願祭は、旧暦8月の戊亥のスクミから始まり、翌日の己子のショーニチには、舞台で数多くの芸能が神へ奉納されます。島の年中行事の中で豊年祭と並ぶ大きな祭りで、人々は祭りに参加することで、心をひとつにしてしているのです。結願祭を含む小浜島の芸能は平成6年12月に文化庁から国の「重要無形文化財」に選択され、島では奉納芸能伝承に積極的に取り組んでいます。
黒島の豊年祭は、収穫の後、神への豊作の感謝と祈願を行う祭りです。海の彼方「ニライカナイ」の神に感謝して行われるハーリー「爬竜船競漕」は、祭りのメインイベント。その他芸能の島らしく様々な芸能が、神に奉納され、島は、祭り一色でにぎわいます。
旧暦7月14日(旧盆の中日)に、先祖を供養し、豊作と安全を祈願しておこなわれる祭りが「ムシャーマ」です。太鼓や棒術、狂言、舞踊など多彩な芸能が奉納されます。この日は、島をはなれている人々も帰郷して祭りに参加。波照間島が一年で一番賑やかになる日です。
ミンサーは木綿織による細帯で本土の細幅織物で真田織の真田帯に類似しています。沖縄では、竹富島のミンサーが一般的に知られており、約300年の歴史を持ち、括り染めて染められ、白と藍の気品ある図柄が特徴で、かっては服飾文化の一翼を坦い芭蕉布、上布などと共に日常生活の中で使用されていました。近年は、民族芸能の衣装には欠かせない物になっています。また、ミンサーの図柄を活かした幅広いアレンジで、バックなどの民芸品として定着しています。竹富島のミンサーは平成元年に通産省から「伝統的工芸品」の指定を受けました。